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Dec 22, 2013

「登れぬ山などない・・・・お前こそ王となる」

待て 登れぬ山などない
わしの言葉を信じるのだ
聞けよ

お前こそ王となる
父も祖父もお前の中に
生きている 星たちが
そのお前を照らすのだ
このセリフ(歌詞)をご存知ですか??

ライオンキングの歌詞の一部だそうです。

一度見ていたのですが、なんとなく思い出しました。
シンバが落ち込んでいたときに、 父ムサファが亡霊となってでてきて歌いかけるシーンです。

少し飛んでしまうのですが、「グリード」の最後に、ジャッキー・フォックスが自社のGCがチャプター・イレブンに陥り、CROとしてのプレッシャーに潰されそうになったときにこの歌を聞いた場面があります。

そして、アメリカとシンバを被らせるという。
実際の世界もそうですが、金融危機時のアメリカの混乱と落ちぶれは半端なかったようです。
確かに、私も外で見ていてもアメリカにたいする心象はかなりネガティブに変化しました。
これまでの経済の牽引・旗振り役から、強欲者というようなイメージが少なからずついた感じになりました。

その歌を聞いたジャッキーは言うのです、

「欲望ではなく、矜持こそがアメリカンスピリットなのだ」

と。

なるほどと思わされます。
ジャッキーの上司であった、ジミー・クランシーのあだ名は「ブル・ジミー」。
大胆という意味なのでしょうが、裏をかえせば突進しかしらないとうことです。

「負ける」というカードはプレーには存在しないということです。

吉田茂の言葉に(ドラマのタイトルにもなりましたが)、

「負けて勝つ」

という言葉があります。

これは、日本経済の戦後の復興を表すことばになりました。
戦争に負けたが、それを勝利につなげるとういのです。
彼はそれを見ませんでしたが、80年代の日本経済は世界の覇者でした。

しかし、その後の「失われた20年」で、勝ち方を忘れてしまったようにも見えますが。

それはさておき。
アメリカ人の往生際の悪さは、ある意味爽快にも感じるものがあります。

簡単には非を認めないとういのは、結構知れていることでもあります。

どれが良いということではないことは理解して頂きたいのですが、

逆にその気質をどのように扱えば良いのかというヒントをこの本は与えてくれたように感じました。

鷲津は2つのケースで、二つの方法を取りました。
一つはGC。ここは徹底的に行き詰まらせた後に、叩くという方法です。
彼らがいかんとする道を一つ一つつぶし、チェックメイトということです。
「突っ走る」という気質を利用した方法です。

もう一つはAD。
ここは、アメリカ人の愛国心を上手に利用します。
「ジャップになんか」という気持ちを煽り、それを利用して負けたふりをする。
死んだふりをして、実は自分の触手は残している。
そして、隠れ蓑を通じて買収を成功させるのです。

どちらも、彼らのそのような気質を理解していたからできたわけです。

私もこれからは少し気をつけて観察してみようと思います。

もちろん、叩き潰すなんてことはしませんよ。wwwww






Nov 17, 2013

「グリード」真山仁 (初稿)



待ちに待った、真山仁「ハゲタカ」シリーズ最新刊です。

いや、一ヶ月前には予約までして、到着予定日に届かないとクロネコさんに電話までして、(オンラインで配送状況は分かっているのに)何で遅れているのかを聞いてしまう程、楽しみに待っていました。

この本は上下巻に分かれているのだが、ここではまとめて一つの本として扱います。

今回の投稿では第一印象を綴りたいと思います。というのも、基本的に好きな本は一度通し読み(通読)した後に、読み込む(熟読)するようにしているからです。なので、細かいところの考察や、振り返りも今後進めていくつもりです。

さて、この本は鷲津が北村(今回のメインキャラクターの一人)にインタビューを受けている場面から始まります。

そこで、日本がかつて社会主義国家と揶揄されていた状況から、資本主義国家へと移行していること。その過程で、格差、拝金主義的な考え等が広がっていることについてのコメントを求められる。(日本人のアメリカ人化)

それに対し鷲津は
「日本人は、アメリカ人になりたいと思っているかも知れません。でも、あの多民族国家の生理を理解するのは無理です。強欲がアメリカンドリームの原動力というのは、皮肉でも何でもないんですよ。アメリカは自由の国を標榜していますが、自由だからこそ、生き抜くためには他人を蹴落とし、貪欲に突っ走るしか生き残れないんです。それが、アメリカです。しかし、日本でそんなことをしたら、生きて行けないでしょう」
と述べる。

この、「アメリカ人の生理」が本作の大きなテーマの一つであった。

シリーズの第1・2作では、典型的日本企業の弱さ・崩壊を扱っていた。
そこに、鷲津が風穴を開け、今の日本のあり方を問いかけていたように感じた。

今回の舞台はアメリカ、後にリーマン危機と呼ばれる投資銀行の破綻による、世界不況の真っ只中である。
その危機の根本的な原因を、アメリカという国・民族に見いだしているように感じた。

確かに、私の中にもアメリカへの尊敬であったり、憧れの様なものがある。
それは、ある意味でアメリカが公正であり、自由だというイメージから来ているのだと思う。(若しくは、第二次大戦後の日本の再興を助けてくれたパートナーという面もあるのかもしれないが。)

ただ、以前に少し勉強した、リーマン危機によって顕在化したマネー資本主義的な暴走を見ると、大きな失望を覚えた。
なので、今回でアメリカに対するイメージが転換したかというとそうではない。
しかし、本作を読むことで、「アメリカ人の生理」を知り、マネーの暴走をもたらした人々(これはアメリカ人に限ったことではないが、彼らがこの考えを輸出した主役であると考え)の考えを知ることができたように感じる。

なぜ、CDSを用いた全くもって利益相反行為に当たる取引や、CDO等の非常に専門的かつ複雑な証券化商品の存在などができあがったのか。そこには「アメリカンドリーム」という人々を突き動かすものがある。

そもそも、CDO事態は特に悪い商品とか、陰謀めいたものではない。
ただ、これが作られる過程で、色々な闇が組み込めるようになっていたことが問題なのだろう。
その闇というのが、サブプライムなのである。

低所得者にもマイホームをということで、普通の貸付は受けられないような人々が、このローンを組めば家を買えるだけの資金を調達できるのだから、驚かざるをえない。
なぜ、人々はこんな美味しい話だけの怪しいものを買ってしまったのか。(ローンを組んだのか)
それは、アメリカ人の持つ豊かさへの羨望なのだと思う。

「マイホーム」といえば日本でもある程度の経済的レベルのベンチマークである。しかし、堅実な日本人は、ある意味(私なんかの)経済的に難しいと自分で思っている人は、諦めているパターンが多いのではないか。
だが、アメリカンドリームを追っているアメリカ人には、目の前に家が持てるチャンス、これから住宅価格が上昇し続けるというセールストークがあれば飛びついてしまうのである。あたかも自分がそれに見合う経済的基盤を手に入れたかのようにだ。

これは究極的には個人の決断の問題なのだろう。
しかし、この決断を促す社会的なプレッシャーのようなものがあったことは否定出来ない事実だと思う。

そして、鷲津のことばにもあるように「生き残る」社会のアメリカなのだから、彼らを責めることは的はずれなのかも知れない・・・・・


個人的に、アメリカ人を相手にすることが多いが、この考えは彼らの行動の背景についてなんとなく納得されられる部分があった。
日本人には当然のようにある、思いやり(そして、人の発言の背後にある意味を読み取ろうとする努力)、周りを意識した言動などが正直にいうと余り無い。

別にそれが悪いということではない。ただ、個人的に理解できない理由が、彼らが育ってきた環境に少なからずあるということだ。

若干疲れることではあるが、それを踏まえた上で、どう付き合っていくのかというのは、今の私の課題であって、中々上手い方法が見えない。
ビジネスライクなものならまだしも、個人的な付き合いであったり、ミニストリーの場面とかは正直きついものもある。
しかし、そこは聖書が基盤なのだから、そこにもどって主が何を期待しているのかを求めていきたい。

以上、今回は思いつくことをカタカタを綴りました。

今後、もっとテーマを絞って考察していきたいです。