Apr 28, 2013

「地熱が日本を救う」真山仁


今回は、連続になる真山仁の作品、「地熱が日本を救う」です。

タイトルの通り、地熱発電についての新書になります。
以前に小説「マグマ」(ドラマ化もされましたね)で地熱を扱って以来の、電力についての作品になります。

さて、結論からすると、「マグマ」を読んでいれば十分です!!

初めて、若干ではありますが、真山さんの作品で残念な思いをしました。
(そもそも新書なので、小説と同じ期待はしない方が良かったのかもしれません。)

ただ、内容的にあまり訴えかけてくるものがありませんでした。

地熱が日の目を見ない時代→原子力の台頭→新エネに注目/ただし地熱は無視される
→原子力ルネッサンス→震災→地熱のチャンス到来
という時代を追っていくわけですが。
正直、(極めて個人的ですが)こんなことは、分かりきったことでした。

所々、豆知識が入っていて、勉強にはなりましたが、もっとこう真山さんの主張を入れ込んで欲しかったという感じです。
更に欲を言えば、もっと深い取材を通しての視点、論点が欲しかった。
地熱に関しての一般論に終始してしまった感じでした。
地熱の抱える問題で、天然記念公園や温泉組合などは、知らないほうが勉強不足。(勿論、その勉強のために書いているので、的はずれな批判なのですが・・・)

個人的には、地熱に対してまだ懐疑的な方だと思っています。
地熱は再生可能エネルギーの中で唯一、安定供給が可能で、ベース電源となりうる。そして、コジェネの観点からも、かなりの効率を持っている。そして、なんといっても日本は、世界でもトップレベルの地熱量を持っている。
以上が真山さんの主張です。
その通りなのですが、やはりコストがネックなのかと思います。
プロジェクト年数と発電容量を考えると、どうしても地熱よりも太陽光や風力が魅力的に映ってしまうと思います。

私は、原子力と同じように、地熱に関しては、官がもっと積極的に関わっていくべきではないかと思います。
勿論、再生可能エネルギー固定価格買取制度は地熱の買取単価を高めに設定し、民間の投資を促すというものになっていると思います。ただ、プロジェクトの規模が企業にとってはまだまだ魅力的ではないのかと思います。
10万キロワットそこらの容量では、もちろん水力や太陽光に比べ、その安定性を鑑みると、素晴らしい電源だなと思います。
ただ、10万キロワットをプロジェクト単位で見たときに、IRRは約13%に設定されている。確かにこれは、他の単価設定よりも高め。
しかしですよ、如何せん太陽光と比べ動き出しているプロジェクト数が違うのです。それはやはり、プロジェクトとして、投資対象としての魅力に欠けているとうことなのではないでしょうか。

なので、むしろ政府系ファンドであったりが、イニシアチブを取ってプロジェクトを組成していくべきではないかと思う。プロジェクトファイナンスの例は太陽光では既にあるわけで、年金とかも動かせるなら、かなり可能性はあると思います。

結論からすると、皆さん「マグマ」の方が面白いですよ!!!

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